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因菌研ーゼロエミ式キノコ栽培法

鳥取市から旧鹿野町農業バイオセンターを、平成29年4月から平成34年 3月までの間、NPO法人いんしゅう鹿野まちづくり協議会へ無償貸与されたのを受け、「因州しかの菌づくり研究所(因菌研)」を立ち上げました。サイトは、以前、自分が運営していたキノコ栽培サイト(CiaoJapan)が元になっていますが、情報が1999年から2011年くらいで止まっているので、今回は更新版として、キノコ栽培だけでなく、「キノコ」をど真ん中に置きはしますが、もっと大きな枠組みで、地域に密着した楽しい循環型社会づくりに貢献していきたいと考えています。

かれこれ15年くらい前から(2003年頃~)書いたものですが「ゼロエミ式キノコ栽培普及会-CiaoJapan-」のトップページだったものを紹介させてもらいます。その間に東日本大震災や原発事故があり、変化といえば「エネルギー」への意識がより強くなったことではないでしょうか。しかし、15年経っても、この栽培法は、日本では、なかなか普及しませんね(涙)、というか、当時、コロンビアでは一世を風靡したこの方法も、すっかり時代遅れ、「ゲリラ」もいなくなって、大統領も「ノーベル平和賞」貰ったりして、今では、ちゃんと「熱」使って殺菌しているようです、マッシュルーム以外、きのこを食べる習慣のなかったのですが、国も技術も20年ですっかり変わるもんです。

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ゼロエミ式キノコ栽培法はゼロエミッション研究構想のひとつのリンクとして様々な国で導入されているものです。食品廃棄物や野菜残渣などを培地とし、なるべく熱エネルギーを消費しないで、消石灰等で抑菌処理をして、ヒラタケ類等を粗放的に栽培する環境負荷のかからないキノコ栽培方法です。日本ではまだ普及していないキノコ栽培方法ですが、自分は99年~02年までコロンビアのコーヒー地帯にあった現地NGO団体CIAO(国際有機農業センター)、コロンビアの子供食堂、また03年よりNPO法人ゼリジャパンにおいて、この栽培方法を実験、実践し、この栽培法を研究しました。世界で一番簡単なキノコ栽培の方法だと思っています。このキノコ栽培法を原木栽培法、菌床栽培法に並ぶ第三のキノコ栽培法に育てあげたいと考えています。

第三のキノコ栽培法-ゼロエミ式キノコ栽培法

環境問題が注目を集める昨今、国、企業は生産活動のため資源とエネルギーを消費するだけでなく、様々な資源の循環再利用、また廃棄物ゼロ≪ゼロエミッション≫に押さえ込む生産システムの構築≪循環型産業システム≫を迫られています。ある企業から排出された廃棄物が、他の企業の資源となる。一企業で完結しがちな生産システムを見直してみるとそこに思いもよらぬ環境価値の高い収益が生まれる可能性があります。国、企業とは個人の集団です。個人の環境意識の高まりがなければ、国も企業も前進しません。個人が高い意識を持って行動する、これが≪環境保全≫の基本となります。

きのこを栽培!Let’s Try!

と、堅苦しいことを書き連ねましたが、≪循環型産業システム≫などと言われても、なんのことだかよくわからない人も多いと思います(自分もまだよくわかっておりませんし)また難しい環境用語は敷居が高いです。当サイトでは、その≪循環型産業システム≫をミニ体験することのできる簡単なキノコ栽培方法を紹介しています。このゼロエミ式によるきのこ栽培を家庭や地域、学校で体験することにより、環境意識が高めまり、ゼロエミ運動≪廃棄物ゼロ運動≫を身近に感じてもらえると嬉しいです。個人の環境意識の高まりが地球環境の改善の基本です。

ゼロエミ式キノコ栽培基本手順

1.培地準備 家で栽培する場合はコーヒー粕やトウモロコシの芯、果物の皮など、畑の残渣を使う場合には豆サヤや野菜の茎葉、穀物類の殻などを用意します。そのまま使えるものもありますし、粉砕したり、乾燥させなければダメなのもあります。色々なものが利用できるのでやってみて何が使えるかを見つけてみましょう。

2.抑菌処理 用意した材料を石灰水に浸水したり、石灰を混合したり、煮沸したり、熱湯をかけたり、レンジでチンしたりして、キノコ栽培の邪魔になる菌やバクテリアを抑菌、殺菌し、キノコが嫌いな成分のアク抜きをしたりします。材料の形や質、水分によってやり方が変わってきます。使う材料に一番合った方法を見つけましょう。

3.植菌 キノコの種(ヒラタケ類)を材料を入れた容器に入れます。ゼロエミ式キノコ栽培では完璧な殺菌をしているわけではないので、材料に万遍なく種(菌)を混ぜる方が雑菌にやられる確率が減り成功率が上がります。また、通常より多目に種を入れるのも成功率を上げるコツです。材料が水分でベチャベチャだと雑菌にやられる原因になります。

4.培養 直射日光の当たらない場所で材料が菌で真っ白になるまで培養します。品種、材料の種類、培養温度などにより培養期間は異なりますが、1~2カ月で培養は完了します。菌は寒さで死ぬことは滅多にありませんが、あまりにも寒いと成長が遅くなります。暑さはヒマラヤヒラタケなら30度でも耐えますが、培養初期は弱いので15~25度くらいで培養するのがベストです。

5.発生 キノコは素晴らしい「体内時計」の持ち主です。キノコを出す力が溜まり、温度、湿度の条件が整えば勝手にキノコを出し始めます。培養が完了したものを木陰などに置いておけば、出たい時に出てきます。主に春から梅雨時期と秋の雨が続いた後に発生します。無理に発生させたい場合は温度管理、湿度管理が必要になってきます。

6.収穫 販売容器の形に合わせるような栽培方法ではないので、出てくるキノコの形は様々です。手のひら級のキノコもあったりします。収穫したら新鮮なうちに食べましょう。余ったら乾燥させても冷凍しても旨味は増します。ヒラタケ類は料理の味を良く吸うキノコです。料理がうまければうまいほどおいしくなるキノコです。腕をふるって調理してやってください。

7.収穫後 だんだんと出てくるキノコの量は減ってきますが、傷んでなければ何度か収穫できます。収穫が終わった培地は肥料にしてもよいですし、ミミズのエサにしてもいいです。家庭で出たものを材料としたなら生ゴミとして棄ててもいいですが、出来れば土に埋めて自然に還してあげてください。

楽しく環境意識を持ってきのこ栽培

お父さん(大企業)の酒のつまみの枝豆のサヤ(産業廃棄物)をお母さん(中企業)に集めてもらって(収集業務)、それを材料(廃棄物→資源)に子供(小企業)がキノコを栽培(生産活動)する。収穫したものをお母さん(中企業)に売っておこずかい(収益)。お母さん(中企業)はそのキノコを料理(商売)してお父さんに売る…これもう立派な≪家庭内循環型産業システム≫です。こんなふうに楽しみながら≪学校内循環型産業システム≫≪町内循環型産業システム≫≪市内循環型産業システム≫等、色んなところで、このゼロエミ式きのこ栽培法が普及すればいいなあと考え当サイトを立ち上げました。ここで紹介しているゼロエミ式キノコ栽培方法は誰にでも簡単にでき、環境によいキノコ栽培です。気軽に挑戦してみてください。

4つのLOWを基本にキノコ栽培

通常のキノコ栽培(特に菌床栽培)は知識と技術のない人には難しく(無菌作業など)、かつ費用(設備投資)がかかり、そして環境負荷の高い作業(高温殺菌作業等)になります。ただし、それらの負荷の分だけ収量も多く品質も抜群です。それに対し、ゼロエミ式キノコ栽培法は環境に良い次の4つのLOWを基本理念とした栽培を行います。

■ Lowテクニック 《超簡単簡易》■ Lowエネルギー 《省エネルギー》■ Lowコスト   《廃棄物利用》■ Low ダメージ  《低環境負荷》

ベランダでおウチでキノコ栽培

ただこの4つのLOWを守ると、キノコの収穫収量は通常の栽培法と違い計算できません。培地の種類、気候、技術レベル等、様々な要因に左右されます。品質も形の揃ったきれいなキノコが出るとは限りませんが、工夫次第でキノコはでます。使うのは少しの労力だけです。是非、このサイトの栽培マニュアルと栽培実践例を参考にしてゼロエミ式きのこ栽培を体験してください。家の片隅で栽培できます。ただ機械のマニュアルではないので、その通りやって全てがうまくいくとは限りませんが、失敗を重ねながら、色々工夫し、楽しみながら環境意識を高めていってください。楽しみながらゼロエミ式でキノコ栽培するうちに、廃棄物や残渣も有用な資源であるときっと気がつくはずです。なによりもきのこが出ると楽しいです!

Posted by inkinken