ゼロエミ式簡易キノコ栽培技術開発

ゼロ環境負荷の低い栽培方法を研究しています。

低環境負荷、低コスト、そして誰にでもできる技術の開発を目指します。


日本におけるキノコ栽培の現状

日本では、原木栽培(いわゆる丸太からキノコを生やす方法)以外では、主にオガクズ、コメヌカ等を培地としたビン詰め、袋詰めの栽培が行われています。この方法は、培地を高熱をかけて殺菌することによって、雑菌を取り除き、キノコの菌だけを繁殖させるすぐれた方法です。また、各培地が、1キロから3キロ程度なので、温度、湿度調節のできる室内で管理でき、四季のある日本でも、一年中、計画的に栽培することができます。

しかしながら、殺菌施設、栽培施設(自動詰め機、接種機、栽培舎等)の導入に莫大な初期導入費用がかかります。また、それらのコストを回収するためには、必然的に大規模ないわゆる薄利多売的な経営を強いられてしまいます。小規模な農家の家内的な栽培で、それらのコストを回収するのは現在のキノコ相場の安値安定からみて非常に難しい状況です。また、中国の安価な輸入キノコも、それらの農家にとっては大きな脅威です。

現在のキノコ栽培は農業でななく、工業そのものです。なんとかやっていけるのは、大規模なきのこ生産工場で栽培、CM戦略を含めた緻密な経営をしている大メーカーのみとなっているのが現状です。

メリット

1.高収量

研究された安価かつ最良の培地を使用し高収量

2.高品質

環境コントロールのできる栽培施設で、厳密な品質管理を行い、高品質なキノコを生産

3.様々なキノコ生産

雑菌に弱いキノコも、最良の環境で生産可能

4.計画的な栽培

管理施設にて季節に関係なく栽培可能

デメリット

1.高コスト

施設導入費

2.高エネルギー

殺菌施設、栽培施設等のエネルギー

3.高技術

無菌作業、機械操作

4.限定された培地

収量とコストを計算して培地を選択しなければならない。たとえキノコが発生する培地でも、収量が悪ければ使用できない。

ゼロエミ式栽培法の目指すキノコ栽培とは

ゼロエミ式キノコ栽培は、決して現在の栽培法を否定するものではなく、従来の方法とは別の視点から、キノコ栽培法を提案していこうとするものです。

日本の昔ながらの方法で今はほとんど活用されていない技術や、日本では知られていない海外の様々な栽培方法の中から有用なものを取り入れ応用し、ゼロエミ運動の理念にかなった栽培技術を確立するべく研究実践活動を行っています。

ゼロエミ式栽培の基本理念

従来の高環境負荷、高コスト、高エネルギー、高技術から脱却した栽培技術の確立

環境に考慮(低エネルギー)

雨水利用 太陽熱、バイオガス利用等

廃棄物ゼロ(廃棄物の利用、循環)

各種植物系有機廃棄物、食品廃棄物の利用、廃培地(栽培終了後の培地)の有効活用

シンプル(誰にでも簡単にできる、低コスト)

複雑な施設、技術不要 自然条件を活用

これらの理念を実現させながら生産されるキノコは、従来の栽培法で生産されるようなきっちりとサイズの揃ったキノコではないかもしれません。栽培可能なキノコの種類も限られてくるでしょう。計画通りに大量生産することも難しいかもしれません。しかし、この不利な点を補ってもあまりある活用法が必ずあります。