干し椎茸を美味しく頂く鉄則|戻し方

「干し椎茸は美味しいんだけど…どう使っていいのわからない…」

サルートン!上席主任研究員のヤギ工作員です。

ヤギ工作員

まずは基本の出汁(だし)の取り方教えちゃうよ!


ヤギ工作員

ビタミンD₂取りたいなら日に当てろ!

スーパーなんかで売っている干し椎茸はほぼ機械乾燥です。ビタミンD₂は紫外線によって作られるのでそのまま使っても意味ないです。

なので、食べる直前に日光に2時間ほど当てましょう。ヒダを上にして当てるといいそうです。それだけでビタミンD₂の含有量が生の椎茸の10倍以上にUPします。

項目天日乾燥機械乾燥
乾燥方法太陽光(紫外線)で自然乾燥熱風・遠赤外線などで人工乾燥
ビタミンD₂生成紫外線によりエルゴステロールがD₂に変化紫外線がないためD₂はほぼ生成されない
含有量の目安約20〜80μg/100g(生の10〜15倍)約2〜5μg/100g(生と同等)
補足傘の裏側を上にして2〜3時間天日干しが効果的再天日干しでD₂増加可能
重要ポイント
  • ビタミンD₂は紫外線によって生成されるため、乾燥温度ではなく光が鍵です
  • 機械乾燥品でも、食べる前に2〜3時間天日干しするだけで10倍以上に増加します
  • 保存中はビタミンD₂が減少するため、食べる直前の天日干しが最も効果的です

えくぼん

菌床と原木栽培があるけれどなんか違うの…

栽培されている椎茸は菌床椎茸と原木椎茸があります。干し椎茸も菌床と原木、そして国産と中国産があります。

国産の95%近くは菌床栽培なのでスーパー等で見かける椎茸はほぼ菌床です。干し椎茸はそれでも原木のモノが売っている感じがします。裏の表示ラベルで確認できるので見てみて下さい。

菌床栽培の椎茸と原木椎茸の干し椎茸は明確な違いがあります。

項目原木椎茸菌床椎茸
栽培環境屋外・自然林などで露地栽培屋内・人工環境で管理栽培
培地クヌギ・コナラなどの広葉樹原木おがくず+栄養剤(人工培地)
紫外線曝露の機会多い(自然光にさらされる)少ない(遮光された施設内)
ビタミンD₂生成のポテンシャル高い(天日干しで大幅増加)低い(機械乾燥が主流)
含有量の目安(天日干し)約20〜80μg/100g約2〜5μg/100g
風味・香り濃厚で肉厚、香りが強い柔らかく、クセが少ない

原木椎茸の干し椎茸は野外で栽培されることが多いです。光が当たるので生の状態でもビタミンD₂の含有量が多少あると思うのですが、原木椎茸もハウスで栽培されることもありなんとも言えません。

生の状態では菌床も原木も変わらないという結果もあるようで、ビタミンD₂目的なら兎にも角にも原木の干し椎茸を天日に当てて使いましょう。


ヤギ工作員

さて、出汁とるぜ!

ヤギ工作員

戻す水の量は椎茸の20倍だ!10gなら100cc、100gなら2㍑!冷水(25℃以下)使え!

冬場は外でもいいかもしれませんが冷蔵庫で戻しましょう。冷水の方が、旨味・香り・栄養を最大限に引き出せます。低温でじっくりが基本です。干し椎茸の20倍の水で戻すと覚えましょう。

温度帯分類特徴・備考
5〜15℃冷水冷蔵庫内や冬場の水道水。酵素が穏やかに働き、旨味と香りを守る。衛生的にも安全。
15〜25℃常温水春〜秋の室温。酵素活性がやや高まり、旨味生成が進むが、雑菌繁殖に注意。
25〜35℃ぬるま湯酵素活性がピークに達するが、旨味成分の分解も進む。戻しすぎや長時間放置は風味劣化の原因に。
35℃以上温水〜熱湯戻し時間は短いが、香りや旨味が飛びやすく、食感も硬くなりがち。基本的には非推奨。
ヤギ工作員

でもな、5℃じゃ酵素(RNaseなど)はほぼ働かんからグアニル酸の生成は進まんとも言うし。冷蔵庫は微妙なんだがワシは冷蔵庫。まあ、旨い出汁が取れとるで!

項目冷水戻し熱湯戻し
戻し時間6〜12時間(冷蔵庫または室温)30分〜1時間
旨味(グアニル酸)多く抽出される分解されて減少する可能性あり
香りしっかり残る揮発して飛びやすい
食感ふっくら・なめらか硬くなりやすい
栄養(ビタミンD₂)安定して残る一部流出・分解の可能性あり
戻し汁の活用旨味が豊富で出汁として使える香りや旨味
えくぼん

6〜12時間もかかるの…

干し椎茸は面倒くさいと思われがちで、使う人も減って全然売れないのですが、朝戻せば夜使えると考えるとそんなに手間ではありません!夜戻して朝に上げるとか。

厳密に守る必要もないと思いますが、水に浸ける時間は「どんこ」が10~12時間、「こうしん」が5~7時間、「スライス」が2~4時間です。ただ「スライス」は軸がない分、出汁用としてはちょっと劣るので出汁目的だったら丸の干し椎茸を使いましょう。

えくぼん

どんこ?こうしん?よくわからない…

どんこ(冬菇)は7分開き未満で半球型で肉厚、傘が巻き込んでるもの、こうしん(香信)は7分開き以上で平らで薄く、傘が開いてるものを言います。左、こうしん、右、どんこです。どんこは肉厚なので戻す時間もこうしんよりかかります。

項目どんここうしん
収穫時期傘が開ききる前に収穫傘が開ききった状態で収穫
見た目丸く厚みがあり、ひび割れ模様平らで薄く、ひび割れは少ない
食感肉厚で歯ごたえがあるやわらかく火の通りが早い
香り・旨味濃厚で深みがあるあっさりしていて上品
用途煮物・鍋・炊き込みご飯など汁物・炒め物・茶碗蒸しなど
価格帯高め(贈答用にも使われる)比較的安価で日常使い向き

えくぼん

でも、何に入れて戻したらいいの…

ヤギ工作員

なんでもええ!とにかくどっぷり浸けろ!

戻すための干し椎茸を入れる容器は何でもいいです。ジップロックでもタッパーでも。椎茸が水から頭を出さないように浸けることが大切です。自分は毎回100gの干し椎茸を水2リットルで戻すので100均で買った下のような容器を使ってます。伸縮しますし、コックから出汁を別の容器に移せますし便利です。口も大きいのでまあまあの大きさの干し椎茸も入ります。

ヤギ工作員

まとめとく。干し椎茸使ってくれ!頼む!美味いぞ!椎茸は出汁が命!

目次

干し椎茸を美味しく戻すための鉄則

1. 食べる前に天日干しでビタミンD₂アップ

機械乾燥品は紫外線不足でビタミンD₂が少ないため、食べる直前に傘の裏側を上にして2〜3時間天日干しすると、含有量が10倍以上に増加します。

2. 戻し水の量は「椎茸の20倍」

干し椎茸10gに対して水200mlが目安。戻し汁も出汁として活用できます。

3. 冷水でじっくり戻す

方法時間旨味・香り備考
冷水戻し(25℃以下)6〜12時間(冷蔵庫)◎ 最大限引き出される香り・旨味・栄養が安定
熱湯戻し30分〜1時間△ 分解・揮発しやすい食感が硬くなりやすい

4. 戻し汁は加熱して保存

80℃以上で加熱すれば衛生的に安心。冷却して冷蔵保存すれば、調理時に再加熱で旨味を守れます。

5. 品種によって戻し時間を調整

品種戻し時間特徴
どんこ10〜12時間肉厚で旨味が濃い。煮物向き。
こうしん5〜7時間平らで火の通りが早い。汁物向き。
スライス2〜4時間軸がないため早く戻る。出汁用に便利。

6. 容器は何でもOK。とにかく「どっぷり浸ける」

ジップロック、タッパー、鍋などでOK。椎茸が水面から出ないように注意しましょう。

この記事を書いた人

山羊工作員

山羊工作員

きのこ研究所/上席主任研究員

東京出身/きのこ生活30年(札幌・長野・コロンビア・奈良・鳥取)

世界で一番簡単なきのこ栽培方法開発

鳥取市在住/風のエレメント
菌が作り出す循環型地域社会
地域エネルギーで目指す持続可能な農業
農福連携・子供達・次世代のためへ技術開発・継承

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